「幻の高高度戦闘機 キ94―B‐29迎撃機の開発秘録 」書評

ミニタリーファンなわたくしはよく戦記物も読みます。
この本はたまたま著者の長谷川さんの講演がメインで訪れたところ、会場で販売されていた機会に求めたものです。

幻の高高度戦闘機 キ94―B‐29迎撃機の開発秘録幻の高高度戦闘機 キ94―B‐29迎撃機の開発秘録
(2002/09)
山崎 明夫長谷川 龍雄

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名車は幻の高高度戦闘機から」というタイトルで以前ネタにもしましたが、長谷川さんが先月末にご逝去されたのを機にアマゾンレビューに投稿しました。(2008/5/26現在は未掲載 査定中)


当時の日本軍では迎撃する事すらかなわない高高度より飛来し、繰り返 される無差別爆撃への抵抗心が開発へのモチベーションだっ た ------ 以前氏の講演会で伺ったお話です。

著者の長谷川龍雄さんは若干27歳にして当機の開発責任者となり、 試験飛行当日に終戦を迎えました。
本の内容は航空力学をはじめ、開発日誌的な様相です。専門的な用語の羅列も多く、門外漢の私には全くのチンプンカンプンでした(苦笑)
ただ上質で高価な紙質が利用されているために、当時の書類の原稿や写真がはっきりと読み取れる位にきれいです。資料的価値は高そうです。
後半はトヨタ自動車に入社後の経歴が語られています。
トヨタ自動車では世界のコレクターアイテムであるトヨタ800(通称ヨタ8)をはじめ、パプリカ、今や「世界のカローラ」とよばれる名車の初代カローラカリーナセリカなどそうそうたる名車の開発主査をお勤めになられましたが、それらの開発は航空力学の賜物であった、と述べておられました。
後半は前半の戦闘機開発記に比べるとボリュームは少ないですが、今後の自動車開発者にとっては含みのある内容と思いました。やがてトヨタ社幹部となられ、退社後は米国デュポン社の上級顧問として招かれたそうです。

講演の席に著書の中でも空襲で2度家を焼かれたという記載のある元部下の方がお見えになられ、戦後以来の再会場面が会場を沸かしました。
「当時、長谷川さんはそれはそれは細かくて、厳しい方でした。」
という人となりがお披露目されたのが微笑ましかったです。
「戦中派の戦闘機設計者で生き残っているのは、多分私一人だけだろう。」 
と、おっしゃられていた氏は2008年4月にご逝去されましたが、いやいや先に天国に召されている先達には負けないお席につかれていらっしゃるに違いありません。

講演当日、ご著書に座右の銘をお願いしました。
実績がある人のお言葉だけにヒシヒシとした重みを感じると共に、勇気付けられる思いです。

《《 努力と誠実のもとに幸運がおとずれる 》》

氏のご冥福を心より祈念いたします。



(追記)

日刊メールマガジン「自動車ニュース&コラム」より
◆トヨタの原点「カローラ」、9代目の開発責任者は奥田社長に車名変更を拒否
 「世界にはトヨタを知らなくても、カローラなら知ってる人が沢山いた」、
 「カローラこそトヨタの原点なんです」と開発責任者だった吉田健専務(59)。
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/yui_no_kokoro/list/200805/CK2008051902012537.html


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